電力消費が少なくてすむ建物

寒い日が続いていますので、断熱に関して何回かに分けてお話しします。

東日本大震災が起きて、原発が停止した今、お金さえ払えば電気をどれだけ
使おうがその人の勝ってという時代はもう終わりました。
昨年の夏は計画停電は免れましたが、今から求められる建物は、電力消費が少なくて済む建物です。
特に大きなビルなどは電力消費が大きいので社会的責任は大きいと言えます。

電力消費を少なくするためには、建物の断熱性能を上げることと日射や通風を上手く
利用することが必要です。

断熱性能を上げるには、それなりのコストがかかりますが、日射や通風を上手く
利用することは設計者の考えでそれが実行できます。

太陽の日射が建物にどのように影響しているのかお話しします。

太陽は東から登り西に沈みますが、
春秋分には真東から登り真西に沈みます。
夏至には真東より北に30度寄ったところから登り、真西より北へ30度寄ったところに
沈みます。
冬至には真東より南に30度寄ったところから登り、真西より南へ30度寄ったところに
沈みます。

太陽の南中高度は
春秋分が熊本の場合57度 夏至が80度 冬至が33度です。

以上より(概要です)

建物の壁面の日射量は

夏は東と西の壁面が受ける受熱量は南壁面よりも大きい。

夏は東の壁面は早朝から西壁面は夕方遅くまで日射の影響を受ける。

冬は南壁面が東西壁面より受熱量が大きい。

と言うことが言えます。

画像


それと建物の熱は床から10% 壁から25% 窓から35~40%の割合で損失しています。
窓からが一番熱の出入りが大きい分けです。

画像


今の季節南側の窓際で日なたぼっこが気持ちよいのは、1平方メートル当たり
約800Wの電気ストーブに当たっていることと同じ事なのです。
南側の窓を利用すれば晴れた日はただでお日様の恩恵を受けれるのです。
(太陽定数は1367W/㎡ですが大気圏内で減衰するので)

だから気持ちがよいのですが、これが夏になると午前中は東面の窓際に
1平方メートル当たり800Wの電気ストーブがあるのと同じ事になので、暑くて
朝からでも汗が出てくるのは当然のことです。

気温は日の出直前が最低なので午前中の東面の日射は我慢・・・・
お昼を過ぎて気温も上昇し日が西に傾いた部屋の西面の窓は気温が上がって
いるところに窓際に1平方メートル当たり800Wの電気ストーブがあることに
なるので暑くて我慢できなくなるわけです。

対策としては、

これからの建物の東西壁面の窓は小さくすることが重要です。
できれば無くしたいくらいですが、熊本の西風を取り込むために通風用の窓は
必要です。(敷地条件によりますが。当事務所では設立当初からこの考えです)

西面の窓を基準法上の採光窓にしなければならなくても通風ができる程度に
小さくする。

どうしてもプランのデザイン上 東西壁面に大きな窓を取らなければならない場合は
熱線反射ガラスやLow-Eガラスを使用する。
(30%位しか遮蔽できないのが現状です。あまり遮蔽してしまうと可視光線の
透過率も低下してしまい窓の意味が無くなります)

外付けブラインドや縦型ルーバー(外部)が効果が大きい。(設備費がかかります)

グリーンカーテン(ツタ類をはわせる)を付ける。

などですが、

建物の計画を始める時から西壁面の窓は小さくする考えで全体のデザインを考えて
いくことがこれから原発を無くすための建物に求められるデザインです。

昨年の夏は停電することなく、なんとか我慢の省エネで乗り切ることができましたが、
今年は、去年が計画停電がなかったので今年も大丈夫だろうと段々と毎年気が緩んで行く事が考えられます。

東日本大震災で多くの人や動物の命が犠牲となり、住む土地や夢までを奪われた
方々の無念な気持ちを忘れず子供達の将来のために、電力消費が少なくてすむ
建物の設計をしていかなければなりません。

次回は窓の断熱についてお話しします。


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